速読法とは?
2019.03.15
わたしたちは日常生活で、いろいろな「読み方」をしています。例えば新聞一つを取り上げてみても、さっと目を走らせることもあれば、きちんと行を追って理解しながら読み進むこともあります。あるいは見出しだけ拾って済ます場合もあるでしょう。
英語を読む際にもこのような読み方のバラエティが必要です。教科書などの英文を端から端まで理解するという形式の授業に慣れていると、「一字一句理解しなければ読んだ気にならない」と感じるかもしれませんが、「英語を使いこなす」という面から見ると、この「じっくり読み」一辺倒では効率が悪いのです。時には文字を読み飛ばすような速い読み方、いわゆる速読法が必要とされます。
速読法の中に、ScanningとSkimmingがあります。
まず、自分の欲しい情報だけに焦点を絞って探し出す読み方がScanning。「探し読み」あるいは「情報検索読み」などと呼ばれているものです。例えば火災の記事を読む際に場所や原因の部分を探し出し、とりあえず他の情報については無視して読み飛ばすというような読み方です。
もう一つがSkimming。「拾い読み」または「大意把握読み」などと呼ばれる読み方です。もともとスープなどの表面に浮いている油などをすくい取ることを意味しているのですが、ざっと目を通して重要語だけを拾い、全体のテーマや要点をつかむ方法です。例えば見出しから記事の概要を判断したり、本の目次を見て内容を予測したりするのもSkimmingの一種です。
これらの速読法に対して、要点だけでなく細部にも目を配りながら、比較的に時間をかけて読み進む方法が、始めに述べたintensive readingです。あるイギリスの本には、「音信不通だった恋人からの手紙を読む方法」という例が載っていました。「一語一語の意味を吟味する」読み方だそうです。
日本の学校教育は、intensive readingに偏りがちだといわれ、構文や語彙にわからない部分があると全体の意味も取れなくなってしまう弊害があります。
ScanningやSkimmingは、スピードが求められるビジネスの場面や大量の文献を読みこなさなければならない留学生活、あるいは英語の運用力を測るTOEIC® L&RテストやIELTSなどの受験でも有益な方法です。シェーンのレッスンでは、試験対策コースを中心にScanningやSkimmingの訓練を随所に採り入れています。